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行動科学マネジメント

世の中にはいろんな学問があり、いろんな考え方がある。
最近、ネットを見ていて、行動科学マネジメントなる研究があるという記事を読んだ。

行動分析学なる学問をマネジメントの観念に発展させたものらしい。人の「行動」に着目し、それをコントロールすることで、目標を達成する手法だそうだ。

行動科学マネジメントのノウハウの1つに「継続する技術」というものがあるらしい。

行動科学マネジメントでは、どんな行動にも必ず理由があるとし、すべての行動は次の3つの要素「ABCモデル」から成り立っていると定義されている。

A 先行条件(~だから=行動の直前条件)
B 行動 (する)
C 結果条件(その結果、~になる=行動の直後条件)

「エアコンをつける」という行動であれば、
A「暑いから」
B「エアコンをつける」
C「その結果、部屋が涼しくなる」

つまり行動とはAの「先行条件」があって発生する。つまり、ある行動が発生しやすい先行条件を整えれば、行動をコントロールでき、望む結果を手に入れられるということです。難しいのですが…

行動科学マネジメントでは、この先行条件を整えるために、「フロント行動リサーチ」と呼ばれる作業を行います。そして、「ターゲットとする行動(ターゲット行動)」が起こる直前の環境を明らかにすることで、行動をコントロールしやすい環境を整えていきます。

●発生する頻度、持続時間は? 
●どのようなときに発生しやすいか? 
●どのような場所で発生しやすいか? 
●発生する前に、あなたが行う行動や出来事は? 
●発生する前に、あなたの周囲の人が言ったことや行動は? 
●発生しにくいのはどんなとき? (場所、一緒にいる人、状況など)

さらに、難しくなりました。

おそらく、簡単に言うなら、望むべき結果が得られた時の直前の行動であり、状況の統計を取り、把握する。結果から、どのような行動であり状況の後の行動が望むべき結果につながったかを自分で理解するということです。

これが意図せずにできている野球選手こそが、イチローである。イチロー選手は、この先行条件を驚くほど綿密に整えている。

一時期、毎朝カレーを食べているというニュースが話題になりましたが、現在でも、本拠地で試合がある日は起床後、自宅の器具でトレーニングを行い、ナイターの場合は午後2時前後にクラブハウスに入り、3時ごろに練習用のユニホームに着替えてウオーミングアップを始めると言います。そして、バッターボックスへの入り方や、構える際のバットの回し方や、その際の袖口をさわる所作まで、すべてが同じです。

おそらく、長年の経験のなかで

【A】起床してからバッターボックスに入るまでの一連の「先行条件」を整え
【B】バッティングをするという「行動」をとることで
【C】安打という「結果」が最も出やすい

ことを感覚として理解しているからでしょう。

最高のパフォーマンスを実現するために、決まった手順を踏むやり方は、最近ではルーティンワークという言葉で定着していますが、イチロー選手で特筆すべきは、起床してから打席に入るまでのすべてのプロセスがルーティン、すなわち先行条件になっていることです。これだけ、先行条件を強固にしているからこそ、ターゲットにしている行動を高い確率で実現することができる。

野球は、3回に1回安打を打てば、打者として一流と言われる世界です。すなわち、安打を打つことは、3回に2回以上失敗する可能性がある、非常に困難なターゲット行動であると言える。そうしたなかでも、継続して結果を出せるのは、イチロー選手が体調管理、技術のチューンナップなども組み入れた、「最高の先行条件」を設定できているからではないか。

望むべきゴールに至るために、どのような行動をとればよいか把握し、日々の行動にフォーカスを当て、淡々とセルフマネジメントを続けていく。

私たちがイチロー選手に学ぶべきことは少なくありません。

先行条件は、各自違ってくるとは思う。いかに自分のベストのルーティンを確立するか、これが大事になってくる。

最高のパフォーマンスのために…。



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