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強いからやるではなく、やるから強い

花巻東高校、埼玉西武 菊池選手、北海道日本ハム 大谷選手の母校として知られる東北の名門校。

彼らの強さの秘訣、目に見えない、記録に残らないプレーの徹底である。


特に、全力疾走とカバーリングの徹底力である。全力疾走はどんな打球であれ、最後まで全力を尽くすことである。体調や状況によって、力を抜いてしまいがちであるが、
「しんどい時にこそ頑張ることが力になる」
という佐々木監督の指導のもと、全力を出し続けている。

また戦術として、対戦相手にとってもは簡単なゴロで全力疾走する姿勢にプレッシャーを感じ脅威となる。

カバーリングは、心の姿勢があるからこそ徹底できる要素である。とにかく、花巻東のカバーリングは細かい。「ボールが動けば、人が動く」という表現がしっくりくる。投手が一塁のけん制をすれば、右翼手と二塁手が反応に動き、中堅手も備える。一塁手が投手にボールを返す時には三塁手と左翼手がカバーリングに反応。遊撃手は二塁ベースに着く。

そんなの当り前といえばそれまでだが、これだけの徹底はなかなかできることではない。カバーリングほど、成果の見えないランニングはない。選手達は「カバーリングに行っていれば、投げる方も後ろにいてくれると信頼して、失敗を恐れずに思い切りプレーできる」と仲間に気を配ることの大切さを理解し言葉でくちを揃える。

花巻東のチーム力には普段の気配り・心配りがあり、野球面では全力疾走・カバーリングという、成果の見えないものに全力を尽くす凄さがある。さらに花巻東の戦いぶりでは終盤での粘りが目を引くが、この終盤での強さが発揮されろのは日ごろからの積み重ねがあるからなのだ。

次のように言い切れる選手がいる。

「全力疾走やカバーリングは無駄に走ることで、しんどいことなのですが、技術の高い低いに関係なく、できることだと思うんです。挨拶とか礼儀もそうなんですけど、全力疾走とカバーリングは全国のどのチームよりも、自分たちが一番徹底してやっているという自信はあります」

凄い。

ただ、気持ち一つで見習えることでもある。

強いからではなく、やり切れるから強い。

自分はそう思う。



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